JOURNALガリレオ通信肛門線(肛門嚢)ってどうしたらいいの?

ワンちゃんのこんな仕草を見たことありませんか?

・お尻を地面にスリスリ擦りつけている。
・振り返ってお尻をガジガジする。

それから・・・なんかお尻からウンチとは違う臭いがぷ〜んとしてくる。

こういう時、もしかしたら”肛門嚢”に分泌液が貯まり過ぎていたり、炎症を起こしているかもしれません。

あこちゃんのお尻

では、”肛門嚢”って何でしょう?

ワンちゃんやネコちゃんの肛門の両側には袋状の分泌腺があります。
これを”肛門嚢”と呼んでいます。
その袋の中には強烈な臭いのする分泌液が貯められています。

分泌液は液状やペースト状、粘土状など様々ですが、とにかく臭います!
色も茶色や黄色、グレーなど個体差があります。

動物たちは、この肛門嚢の臭いで個体の識別をしたり、自分の縄張りを主張するのに使います。

よくワンちゃん同士がお尻のにおいを嗅ぎ合っているのを見ませんか?
この行動は、肛門線(肛門嚢)のにおいを嗅いで、相手を認識しているのです。
ワンちゃんの名刺みたいなものですね。

肛門嚢の分泌液は排便時や興奮時に外に排泄されます。
しかし、上手に排泄されずに貯まりすぎてしまうことがあります。
すると・・・中で炎症を起こしてしまったり、袋が破裂することがあります。

そこで、肛門線絞りです!
分泌液が貯まり過ぎないように、定期的に貯留液を出してあげるのです。
目安は月に1回程度。
ご自宅でできない場合は、病院でチェックしてもらいましょう。

〜肛門線の絞り方〜
①尾をゆっくりと挙げて、肛門が外側に突き出るようにする。
②肛門を見て尾の位置が時計の12時だとすると、4時と8時の方向に肛門嚢があります。この袋を奥側から上手前方向に押し上げるにようにすると、分泌液がビュッと出てきます。

なかなか難しいかもしれませんが、上手くできない場合は病院でレッスンしましょう。
ただし、尾が曲がっている子や尾がとても短い子は簡単にできませんので、無理はしないでおきましょう。

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この記事を書いたのは
獣医師
勝村 桃子MOMOKO KATSUMURA
東京大学卒・神奈川県横浜市出身
BACKGROUND

大学卒業後、川崎市の動物病院に勤務。 その後、日本動物高度医療センター画像診断科にて11年勤務。超音波検査を専門とする。 2018年 ガリレオ動物病院勤務。

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