2021年5月31日
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腎泌尿器

慢性腎臓病

慢性腎臓病

7-8歳になると、ワンちゃん・ネコちゃんはいわゆる中高齢・・・人間で言うと40代後半になります。

そろそろ健康診断と思って血液検査を実施したら、腎臓の数値が高くて”慢性腎臓病”ですね・・・と言われたことはありませんか?
高齢だから?
食事やおやつが悪かったかしら?
なぜなぜ・・・??
何をしてあげればいいのかしら? など色々な疑問が浮かびますね。

腎臓

ちょっと難しい話をすると・・・
腎臓の機能が25%未満になり、回復することがない状態を“腎不全”と言います。

腎臓は再生しない臓器のため、“腎不全”の治療は限られています。
そのため、早期発見および早期治療が重要になります。

そこで、重症度を分類し、より早期の腎障害を表す言葉として“慢性腎臓病”という概念が生まれました。
獣医学においての定義で”慢性腎臓病”とは・・・
3ヶ月以上もしくはそれ以上の長期間にわたる腎臓の構造的または機能的な異常。
国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)により、Creクレアチン濃度もしくはSDMAによりステージ分けします。
さらに危険因子とされる血圧やタンパク尿により、サブステージングを行うことが推奨されています。
ステージングが上がるごとに生存期間は短くなるため、それぞれの動物の状態に合わせた個別の治療やモニタリングが必要とされています。
※Cre / SDMA いずれも血液検査による腎臓を評価する検査項目

つまり・・・
“腎不全”になってからは、やれることが少ないので早めに腎臓の現状を把握し、状態に合わせた治療をしましょう、というわけです。

治療法は、その子の全身状態やステージングにより異なります。
そのため血液検査で異常だった場合、尿検査や超音波検査などを組み合わせ、今の状態を把握します(ステージング)。
そして、腎臓以外の病気がないか、その病気が慢性腎臓病を悪化させていないか?などをしっかり確認します。
その上で、個々にあった治療を開始していきます。

しかし治療といっても色々なものが巷には溢れています。
食事、投薬、サプリメント、水の種類などなど。
私たち獣医師でも全てを把握することはできません。

また人と違い、投薬や食事の変更を極端に嫌がる子もたくさんいますね。
1つずつ出来ること・出来ないことを把握しながら、上手に永く付き合っていける方法を見つけることが大切です。
とくに投薬に関しては、病態の変化によって種類や回数が増えたり、一生続けていくものもありますので、よく相談しながら治療を開始しなくてはなりません。

<慢性腎臓病の症状>
血液検査で数値が高い時は病態が進行している場合が多いので、その前に気付ける症状を挙げてみます。
①尿の匂いが減った(尿が薄くなった)。
②トイレ砂の種類を変えていないのに、砂の塊が取りづらくなった(尿量が増加した)。
③飲水量が増加した。
④ご飯の食べムラがでてきた。あるいは同じ量を食べているのに痩せてきた。
⑤毛艶が悪くなった。フケっぽくなった。
⑥便秘がち、嘔吐が目立つようになった。
⑦食事の時、口を気にする。口臭が強くなった。
など様々です。

慢性腎臓病はゆっくり進行する場合が多く、症状や変化に気付きにくい病気です。
尿検査を含めた健康診断を実施し、早期発見に努めましょう。
中高齢になって、上記のような症状が気になったら、早めに受診することをお勧めします。