症状事例
Works皮膚・耳
頭を振るのはなぜ?(耳のお話し)

「最近、頭をプルプル振ったり、耳の付け根あたりを後ろ足でカッカッカッてやっていませんでしたか?」
と聞くと、「そう言えばやってました!」というお答え。
なぜ分かるかと言うと、耳の中が痒そうだなぁ、耳が臭うなぁ、と気が付いたからです。
耳に何かしらの異常があると、このような症状を示すことが多く、梅雨時にはよく見かける異常(症状)です。

この症状の原因はいろいろあります。
例えば・・・
①外耳炎(アレルギーによる炎症も含む)
②異物の侵入(植物や毛など)
③脂漏症による皮脂の過剰な分泌による汚れ
④耳の中の構造的な異常(耳の穴が狭い)
⑤耳の奥に腫瘤(ポリープや癌)がある
これらの原因によって治療は異なります。
しかし、よく似た症状を示すため、きちんと耳の中を覗いてみないと原因は分かりません。
特に、湿度や温度が高くなる季節は、耳の問題が悪化しやすく、2つ3つの問題を抱えることにもなります。
例えば・・・
皮脂が多量→マラセチアが増殖→炎症を引き起こす→耳の中が腫れて穴が狭くなる→耳垢が外に排出しづらくなる→皮脂がさらにたまる
この循環が耳の中の環境をどんどん悪くします。

では、どうしたらよいのか。
耳の問題がありそうだったら、病院に行くこと!です。
耳の中は基本的にお家でイジる必要はありません。
つまり・・・耳掃除をする必要はありません。
なぜなら耳は耳垢が外へ外へと排出されるようにできており、耳の中を守るために毛や分泌線が発達し頑張っているからです。
少しくらいの耳垢は普通に出るので、気にしていなければ特に何もしなくていいのです。
症状が出た場合は、耳の中を見て原因を特定し、洗浄したり適切な薬を使います。
病院では耳の状態に合わせて、洗浄液を選び、洗浄の仕方を工夫し、必要に応じて耳垢の検査をします。
お家での処置が必要な場合に限り、拭き取りや点耳薬をお願いすることもありますが、それも耳を見て判断します。
特に、繰り返す外耳炎はその裏に何か原因が隠れていることが多く、ただ洗浄していても問題解決にはなりません。
耳を気にし始めたら、ひとまず病院でチェックしてもらいましょう。