2021年5月31日
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高脂血症

高脂血症

健康診断で血液検査をしました。すると・・・
”中性脂肪(トリグリセリド)” と”コレステロール”の数値が正常より高い!

見て見ぬフリをしたいけど・・・

「やっぱり、オヤツあげ過ぎよね・・・」
「飼い主と同じじゃない!」
「お父さんがこっそり自分の食べているものあげてるのよ!」
検査結果を見て、反省する飼い主さんは多いのですが、実は食事やオヤツが原因とは言えないかもしれません。
つまり・・病気のサインかもしれない、ということです。

血液中の「中性脂肪(トリグリセリド)」と「コレステロール」の両方あるいはそのどちらかが高い値の状態を”高脂血症”と言います。

人間では”脂質異常症”と呼ぶようになりましたね。
血液中の脂質が高い状態。
実際、採血した血液を見るとびっくりします。(上の写真)
いちごミルクのような色が高脂血症の子。
正常な子はほぼ透明です。
これを見たら、大変なことが起こっているかも⁈と思いませんか?

では、もし健康診断で”高脂血症”という結果が出たら、どうしたらいいか・・・

まず、高脂血症を診断する上でとても大切なのは、”絶食時”に採血すること!
人間と同様ワンちゃん・ネコちゃんも、食後には一過性に高脂血症になります。

つまり、高脂血症だった検査は何時に採血したかを思い出して下さい。
その検査の時、”食後”何時間くらい経っていましたか?
もし最後に食事をしてから12時間以上経っていないのなら、まずは再検査です。
12時間絶食した状態で、もう一度血液検査を受けましょう。

再検査をして正常値だったら、その前の異常値は食後の高脂血症・・・つまり正常な反応であったということです。
もし絶食時に再検査しても異常値だったら、本当に”高脂血症”だということです。
そこから、原因があるのか調べる必要があります。

高脂血症には2種類あります。

①続発性高脂血症
何かしらの原因があって高脂血症になっている場合。
甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症、糖尿病、膵炎、閉塞性の肝疾患などの病気が原因になっている場合です。
また、ステロイド薬や抗てんかん薬などの一部の薬が高脂血症を誘発する場合もあります。

②原発性高脂血症
M.シュナウザーやシェットランド・シープドッグには重度の高脂血症が認められることがあります。
また、ビーグルやトイ・プードルにも発症が認められることがあります。


このように原因になり得る要素はたくさんあり、1つずつ把握していくことが重要になります。
なぜなら実際には、複数の疾患や原発性の素因が混在していることも多いからです。

では治療はどうするのか。
治療を始める基準は
■中性脂肪(トリグリセリド)TG>500mg/dL
■総コレステロールT-Cho>500mg/dL

まずは最も強い原因となっている病気の治療から始めます。
高脂血症は基礎疾患の治療をしない限り、コントロールはできません。

また原発性高脂血症に対しては、低脂肪食への食事変更やω3脂肪酸サプリメント、さらに薬物療法などを利用して、できるだけ数値を下げます。
ただし、原発性の場合は治療は長期にわたることが多く、すぐに改善するものでもありません。

高脂血症は、それ単独では特徴的な症状を出すことは少ないので、気付くのは難しいでしょう。
しかし膵炎や糖尿病などの合併症が起こると、時には命に関わるような重篤な症状を示します。

また、すでに何かの病気の治療中だった場合、高脂血症が治療の妨げになるケースもあります。
もし健康診断で高脂血症を指摘されたら、早めに原因を特定・治療することで病気が予防できる可能性があります。

健康診断で見つかった異常をきちんと追及していきましょう!