JOURNALガリレオ通信健康診断は必要ですか?

「健康診断ってした方がいいんですか?」
このご質問、動物病院ではよく聞かれます。
答えはもちろん「はい」ですが、健康診断といっても、その内容は様々です。

病院によってはいろいろなコースが用意されていますね。
何を選べば良いのか分からないことが、多いのではないでしょうか?

そこで・・・健康診断の内容をまとめてみました。

胸部レントゲン検査

<ワンちゃんネコちゃんで実施することのある健康診断の内容>
■血液検査・・・・・内臓の機能や障害、貧血、炎症の有無など
■レントゲン検査・・内臓の大きさや骨の状態、ある程度以上の大きさの結石や腫瘍
■エコー検査・・・・各臓器のサイズや形状、臓器にできた異常な構造物や結石の有無、貯留液の有無など
■尿検査・・・・・・腎臓や膀胱の異常、尿糖の有無など
■糞便検査・・・・・寄生虫などの感染性微生物の有無

ヒトの場合、学生の間は年に1回、身長や体重などの身体検査の他に、尿検査や血液検査、胸部レントゲン検査を受けることが一般的には多いのではないかと思います。

社会人になると、学生の時の検査よりも内容が増えていきます。
心電図検査や便検査、40歳を超えるとバリウム造影検査、女性であれば婦人科検診が用意されます。
またコースによっては内視鏡や脳ドックなど、年齢が上がると検査内容も増えていくことが多いかと思います。

ワンちゃんネコちゃんの場合は・・・??
基本的にはヒトと同じです。

若くして病気になる場合も残念ながらありますが、一般的には年齢が上がれば、病気になる確率も上がります。
腎臓や肝臓の機能低下、ホルモンの異常、腫瘍性疾患など。

若い時は年に1回の血液検査で十分でも、歳を重ねると血液検査では検出できない病気も増えます。
また、ヒトの4〜5倍速で歳をとるワンちゃんやネコちゃんは、数ヶ月で血液検査の数値が大きく変わることもあります。

ワンちゃんやネコちゃんが3〜6歳の頃、実はヒトの30〜40歳に相当します。
そのため、ワンちゃんネコちゃんが7歳を超えると、“シニア期”に入ったとみています。
え〜?!シニア?と思いますよね。
しかし、獣医師の実感としても、7歳を超えると病気になる子が増えるのは間違いありません。
そのため、年齢に合わせて健康診断の内容を考えていただくようお勧めします。

当院では個別の検査による健康診断に加えて、各種コースをご用意しております。
循環器認定医による心臓に特化したコースもあり、シニア期に入ったチワワ・シーズー・キャバリアの子は特にお勧めしたいと思います。

もちろん獣医師とご相談の上、検査内容を決めていただくことも可能です。
健康診断には興味があるけれど、内容に迷われる時には、お気軽にスタッフにご相談ください。

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この記事を書いたのは
獣医師
勝村 桃子MOMOKO KATSUMURA
東京大学卒・神奈川県横浜市出身
BACKGROUND

大学卒業後、川崎市の動物病院に勤務。 その後、日本動物高度医療センター画像診断科にて11年勤務。超音波検査を専門とする。 2018年 ガリレオ動物病院勤務。

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