症状事例
Works子犬・子猫
子犬が噛むのはどうしたらいいの?

家の中で過ごす時間が増えワンちゃんと共に過ごしたいという思いから、子犬をお家に迎えるご家庭が多くなりました。
コロコロとした小さな子犬との暮らし、可愛くてとっても癒やされますね。
毎日楽しくて、驚くことばかり・・・
ところが、思わぬ行動に戸惑ってしまうことも出てくるのではないでしょうか。

特に、初めて子犬を迎えられる方に多い悩みでは、“子犬の噛みつき”があります。
まさかこんなに小さい子が、何で噛むの?!
いや、たまたま歯が当たっただけかな・・・
そう思っているうちに、子犬の噛みつきは強さも頻度も増えていきます。
こんな時、飼主さんはまずインターネット検索をしますね。
子犬・噛む・甘噛み・しつけ・・・こんなキーワードで探すのではないでしょうか。
すると、出てくるのは
「主従関係が出来ていない」や「舐められている証拠」と言うような、服従させることをスタンダードと考えるしつけ方が多くヒットします。
真面目にこの言葉を信じて、必死で子犬を従わせようとしますが・・・
「なかなか改善しない」「さらに噛むようになった」
という結果をよく聞きます。

なぜ解決しないのか・・・
まず『子犬としての本能・欲求』を理解しなければなりません。
子犬の“噛み”には大きく3つのパターンがあります。
①成長期特有の噛み
②人間が引き出してしまう噛み
③欲求不満からくる噛み
①成長期特有の噛みの場合
生後約4〜6ヶ月齢の歯の生え変わりの時期は、特に歯茎が疼いてかゆくなります。
すると、見るもの何でも齧りたくなり、ひどいと家具などの破壊行動に現れます。
対策としては『噛めるおもちゃ』をいくつかのバリエーションで用意してあげることです。
「うちの子はこれが一番のお気に入りだから」と1つだけ置いておくと、そのうち子犬は飽きます。
試しに新しいおもちゃを見せて下さい。よっぽどの怖がりさんでなければ、嬉々として飛びつくはずです。
では、おもちゃに興味を示さない子はどうしたらいいでしょう?
それは、そのおもちゃに楽しさを感じないか、落ち着かない環境が原因で、安心して遊びに集中できないのかもしれません。
例えば、同居犬の影響、滑りすぎる床、ドタバタ騒ぐ子供たちなどが、集中できない要因としてよくある事例です。
そしてもうひとつの噛み・・・子犬の遊び方はそもそもじゃれながら噛むのです。
兄弟で遊ぶ姿を見てみると、激しく取っ組み合いながら、カプカプ噛み合っています。
でも、それがとっても楽しくて興奮する遊びなのですね。

②人間が引き出してしまう噛みの場合
実は、過剰に触られたり、自由を奪われるような抱きしめ方をされること、などは本能的に犬は嫌がります。
可愛いからついずっと抱っこしたり、ハグしていたくなりますね。
しかし犬同士でのコミュニケーションにおいて、愛情を伝えるために体をギュッと抱きしめることはしませんので、それらの行為の多くは、子犬に恐怖心を感じさせてしまうことがあります。
また慣れない子犬に無理矢理グルーミングをすると、噛むことで拒否を示すようになります。
ご褒美を上手に使って、ブラシや歯磨きなどに慣らしてあげる必要があります。

③欲求不満からくる噛みの場合
一番の原因だと思われるものが、この欲求不満です。
実はほとんどの噛みつきは、子犬の成長に相応した運動をさせていない場合に発生しています。
人が思うより遙かに早いスピードで成長しているにもかかわらず、いつまでも抱っこやカートのお散歩をしていたり、まだ小さいからとあまり外での体験をさせないでいると、いざ外に出ても怖がり過ぎて十分楽しめなかったりします。
人が慎重になり過ぎて、子犬にとっての大事な経験を奪ってしまうことがあるのです。
すると結果的に、お散歩に行っても楽しめる自信がないので、十分に発散することができないまま帰ってきて、家の中で飼主さんと遊んでいる時に、興奮スイッチが入りっぱなしで、手や足を噛んでしまう子犬になるのです。
このように、子犬の噛みの場合、心理的、肉体的なバランスを欠いてしまうと、身近な物で発散するしかないので、人の手や足に噛みつく行動が増えていくのです。
もし噛みつきがひどくなっていくなぁと思ったら、まずは子犬の成長と運動や遊びなどの毎日のルーティンとのバランスがとれているのか、よく見直してみましょう。