体重の約15%程度を占めるほど体で一番大きな臓器である「皮膚」。
体を外界から守り、温度を調節したり感覚を伝えるなど、重要な機能を持っています。
その皮膚ですが、実は犬と人間では構造や性質がかなり違います。
ケアや病気に関わる大切な部分なので、その違いを知っておくとよいでしょう。
人間の皮膚との違い
①人間よりも薄い。
皮膚の一番外側の表皮は、外からの刺激や病原体を防ぐ「バリア」の役割を持ちますが、犬の表皮は人間の1/3〜1/5程度で0,02〜0,05mmしかありません。
なんと、人間の赤ちゃんより薄いということです。
そのため刺激に弱く、シャンプーや摩擦、熱、乾燥などに敏感に反応します。
②毛が密集している。
犬の皮膚は毛穴が多く、さらに1つの毛穴から2〜20本の毛が生えています。
人間は1つの毛穴から毛は1本ですね。
そのため犬の毛の中は、熱や湿気がこもりやすく、炎症や細菌、マラセチアの増殖が起きやすくなります。

③汗をかかない
犬の皮膚には汗がでてくる”エクリン汗腺”がほとんどありません。
エクリン汗腺があるのは肉球と鼻のまわりだけ。
走り回って身体中が汗でビショビショになった犬を見たことありませんね。
汗をかけない犬は、人間のように汗で体温を下げることができないため、ハァハァと呼吸回数を増やして熱を逃しています。
④pHが中性
人間の皮膚は弱酸性(pH4.5-5.5)なのに対し、犬の皮膚はほぼ中性(pH6.2-7.5)です。
そのため人間用のシャンプーは刺激が強いので犬用シャンプーを使いましょう。

⑤ターンオーバーが短い
皮膚は常に新しい細胞が下から生まれ、古い角質が剥がれる仕組みになっており、これをターンオーバーと言います。
人間のターンオーバーは約28日(若年)〜45日(高齢)。
犬のターンオーバーは約21日(犬種、年齢、環境で変化する)なので、人間よりも早く皮膚が入れ替わります。
そのため皮膚や毛に栄養がたくさん取られます。
タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルを十分摂ることが重要で、特にタンパク質は皮膚の材料になり、犬は摂取したタンパク質の約30%を皮膚と毛に使います。
このように犬の皮膚は人間とはかなり違い、とてもデリケートなことが分かります。
そのため、日々のケアや栄養はとても大切です。
赤みやフケ、脱毛、かゆみなどがあれば早めに対処してあげましょう。



