JOURNALガリレオ通信猫の皮膚にできる肥満細胞腫

猫ちゃんの体をなでていると、ふと「小さなできもの」を見つけることがあります。
「小さなできもの」にもいろいろな種類がありますが、その中でも注意したいのが 「肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)」 です。
今回は、比較的よく遭遇するこの病気について解説します。

■ 肥満細胞腫とは?

肥満細胞腫は、皮膚にできる腫瘍(できもの)の一つです。
「肥満」という名前がついていますが、太っている猫ちゃんに多いわけではありません。
皮膚のできものの中では比較的よく見られます。
“腫瘍”ですが良性に近いタイプが多く、治療で完治しやすいことが特徴です。

目の上にあるピンク色の小さなしこり

■ どんな見た目なの?

  • 小さな しこり・盛り上がり
  • 色は 薄いピンクや茶色、赤っぽい色
  • 毛が抜けていることもある
  • 触るとやわらかいしこりのことが多い

特に 顔や頭、首まわり にできることがよくあります。
猫ちゃんの場合、あまり痒がったり痛がったりはしません。

■ 診断はどうするの?

当院では、まず「細胞診」という簡単な検査を行います。
細い針でしこりの細胞を少量取り顕微鏡で調べる方法で、猫ちゃんの負担は少なくてすみます。

■ 治療の第一選択は「手術」

肥満細胞腫の多くは、手術でしこりを取り除くことで完治が期待できます。
手術が難しい場所にできている場合や、数が多い場合などには状況に応じて、ステロイド剤や抗がん剤の使用を検討することもあります。

■ 予後(治る見込み)は?

非常に良いことが多い腫瘍です。
しっかり切除できれば再発も少なく、多くの猫ちゃんが普段通りの生活に戻れます。
ただし、肥満細胞腫が皮膚ではなく脾臓や肝臓などのお腹の中にできることが稀にあります。
このタイプは皮膚にできるタイプとは全く別の病態で、治療方法が異なります。

小さなしこりでも、早めに調べることで大切です。
肥満細胞腫は「怖い腫瘍」というイメージを持たれることもありますが、猫では治療しやすいことが多く、早期発見・早期切除が大切です。

「触るとポツッとしたものがある」
「最近しこりが大きくなってきた気がする」

そんな時は、すぐに当院へご相談ください。

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この記事を書いたのは
獣医師
村上 寧NEI MURAKAMI
北里大学卒・神奈川県藤沢市出身
BACKGROUND

大学卒業後、同大学附属動物病院にて全科研修医として勉強し、その後千葉県の動物病院に勤務。 2021年ガリレオ動物病院勤務。

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