JOURNALガリレオ通信猫の心臓病

猫ちゃんの心臓病で最も多いのは「心筋症(しんきんしょう)」です。
名前の通り、心臓の“筋肉”に異常が起きる病気です。

◾️心筋症の種類
・肥大型心筋症(HCM)
・拡張型心筋症(DCM)
・拘束型心筋症(RCM)
よく遭遇する心筋症が上記の3種類です。

肥大型心筋症

心臓の“弁”に異常が起こるわんちゃんの心臓病とは異なり、猫ちゃんの心筋症は“筋肉”に異常がでるため、必ずしも心雑音が出ません。
(心雑音とは聴診器で聞き取れる異常な心音のこと)
そのため猫ちゃんの心筋症はわんちゃんより気付かれにくいのが特徴です。

また、心臓病というと高齢の子の病気という印象がありますが、遺伝的関与が疑われる疾患のため1歳未満から発症する可能性があり、若い猫ちゃんでも心筋症と診断されることがあります。

拡張型心筋症

◾️心筋症かどうか確認するのに必要な検査
・心臓の超音波検査
・胸部のレントゲン検査
・心電図検査
・血液検査

心筋症は「静かに進行する病気」のため無症状のことが多く、症状が出る頃にはかなり進行しています。
急患として救急治療が必要な状況で来院された猫ちゃんが心筋症だった、ということはよくあります。

◾️このような症状/サインが見られたら、病院で検査を受けましょう。
・呼吸が浅く早い(正常な猫ちゃんは安静時1分間に20~30回程度)。
・横に寝れず、首を伸ばし伏せた状態であまり動かない。
・元気がなく、ご飯を食べない。
・急に倒れた。
・後ろ足を引きずる。
・後ろ足の肉球が冷たい、肉球の色が他の足と比べ白い。

もちろん、無症状のうちに早期発見してあげることが最も大切です。
遺伝的素因のある猫種の子は、1~2歳で一度心臓の検査を受けることをお勧めします。
また、すべての猫ちゃんは5歳過ぎたら健康診断に“心臓チェック”を加えると安心できますね。
聴診だけで「心臓は問題ありません」と言えないのが猫ちゃんの心臓病だと覚えておきましょう。

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この記事を書いたのは
院長・獣医循環器認定医
鈴木 啓介KEISUKE SUZUKI
麻布大学卒・静岡県浜松市出身
BACKGROUND

幼少期から常にたくさんの犬に囲まれて過ごしていたことで、自然と獣医師を目指す。 大学卒業後、川崎市の動物病院に勤務し、その後日本動物高度医療センターで10年間勤務。同センターでは循環器・呼吸器科の医長を務める。 2018年ガリレオ動物病院を開業。

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