元気なのに、なかなか鼻水が治らない・・・
クシャミが増えて、鼻水に血が混ざることがある・・・
そのうち、気が付いたら眼の下がボコッと腫れているけど、何だろう?
こんな症状が見られた時、ヒトだとまず耳鼻科に行くのではないでしょうか。
動物でもアレルギー性疾患や鼻の病気でこのような症状が出ることはあります。
しかし、中高齢のワンちゃんネコちゃんでこのような症状が出たとき、必ずチェックしなくてはいけないところ・・・それは”歯”です。
鼻水やクシャミの原因が必ず歯とは限りませんが、決して少ない原因ではありません。
歯の根っこに歯周病菌が侵入し増殖すると、膿(うみ)が溜まることがあります。
すると、歯から鼻の奥(鼻腔)に炎症が広がります。
ひどい場合には、歯の根っこと鼻腔がつながり膿で満たされることがあります。
これを口鼻瘻(こうびろう)と呼び、眼の下の腫れの原因となります。
口鼻瘻ができたひどい歯周病の場合、痛くてごはんを食べられなくなったり、口臭が出てきます。
もし口鼻瘻があったらどうするのか?
残念ながら飲み薬や塗り薬では、症状を緩和することはあっても、根本的な治療にはなりません。
治すには原因となっている”歯”を除去し、内部をきれいにしなくてはなりません。
場合によっては瘻管を塞ぐために、縫合が必要になります。
残念ながら、口鼻瘻を起こすような歯のほとんどは抜歯処置が必要になります。
もし口鼻瘻が原因で鼻水や鼻血の症状がある場合、当然治療した方が良いでしょう。
上の写真のネコちゃんも、眼の下がひどく腫れていました。
原因の歯を抜いてきれいにしたところ、腫れがひいてすっかり良くなりました。
できることなら、顔が腫れるほどの歯周病にはならないように日常のケアをしてあげたいですよね。
しかしながら、おうちでの歯磨きが難しい子やゆっくり歯磨きする時間がないおうちも多いと思います。
おうちでのケアができない場合には、動物病院での定期的な歯石除去も効果的です。
一度、病院で診てもらうと良いでしょう。